December - アジアにおける税制 国を跨ぐ人々にかかわる税金- 国際税務の観点から捉えた所得税 -

近年ますます社会はグローバル化し、人々のボーダレスな移動(モビリティ)も増加しています。これらの急速な社会環境の変化の中で、個々人の税務上の取扱いについては、明確な理解がなされることはまだ少なく、ある種ブラックボックス化した曖昧な対応がとられていることも多いといえます。
その背景には、人々の行き来が頻繁になっていることだけでなく、それらに対応するための国際税務の枠組みに対する理解が一般には図られていないことがあるといえます。
今回は、各国の税制の理解に勝るとも劣らず重要といえる、税務の世界における国際的枠組みについて解説したいと思います。
以下では、最初に、税の基本概念である租税法律主義から導かれる国内税法の適用、複数の国家による課税権の競合が発生した場合の租税条約の機能について解説し、続いて国内税法及び租税条約において重要となる居住者等の概念、そして最後に、その適用における実務的側面について説明します。

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